富山県経営品質協議会活動内容 定例会

3月度定例会 (富山会場:2004/3/23、高岡会場:2004/3/26)

●富山会場「重視する考え方4:対話による知の創造」

 植木講師は、「知は力なり」(ベーコン)を引き合いに出して、"理屈より実践"という言い方が、ややもするとセオリー軽視・知の軽視・学習の軽視の風潮を生んでいることに警鐘を鳴らし、セオリーで何でも解決できるという幻想は排すべきだが、セオリーによって問題解決が容易になることや無駄な失敗を回避できることが少なくないことを、もっと経営者は自覚して「学習」の重要性を率先垂範して社内に定着させるべきことを強調しました。

 「原因-結果」説明としての「科学の知」と、「目的-手段」図式の「技術の知」こそが現代の生活水準を支える様々な問題解決能力を築いてきたのであって、マネジメントも積極的に(特に、社会システム・行動科学に関する)「科学-技術」的な見識に支えられて然るべきことを力説されました("科学万能主義"ではない!)。

 「知は力なり」と言う場合の「知」「力」は、組織経営においては、単に個々人の知・力のレベル向上に留まらず、「組織としての知・力」にこそ意を用いることが肝要であり、なればこそ経営品質の考え方として「組織学習」の重要性が説かれ、また組織学習ないし組織能力向上のアプローチ原則として「対話」が中核に据えられるわけです。セルフアセスメントの方法論もまさしく「対話による合意形成」プロセスそのものであり、セルフアセスメントが単なる見直し作業ではなく、組織学習を通した組織能力=組織革新の方法論でもあることを再確認して臨まないと、単なるセレモニーに堕すことに注意を喚起されました。

 さらに、「対話」においては、「改革当事者意識」をもって「不断の自己啓発」を行うメンバーが「目的とコトバを共有」することが大前提であり、その上で「仮説=根拠つき意見」をストロークするという"ルール"を共有しなければ改善・改革につながるような生産的対話は実現しないので、アセスメント基準や関連セオリーの理解に一層努められるよう植木講師は督励しました。

 

●高岡会場「4.戦略の策定と展開」

 保坂講師は、戦略の策定と展開にあたっては、「顧客本位の卓越した業績」を目指す観点から「理念―顧客価値―ビジョン-戦略―実行計画」というタテの流れの「一貫性」と、部門間・パートナー間とのバランスのとれたヨコ連携の「整合性」が重要であることを保坂講師は強調されました。

 戦略策定においては、外部要因(経営環境)・内部要因(経営資源)および内外要因の適合性を、SWOT分析などの適当な分析手法を活用して行い、それに基づいた実行計画を「資源配分」にまで落とし込まなければ現実的に実行可能な戦略にはならないことを再認識するよう注意を喚起されました。

 さらに、現在のように市場環境が不安定で急変するような状況においては、分析-計画型の"戦略策定"に留まらず、積極的に第一線現場の知恵・創意を反映して活かしていく"戦略形成"の視点を取り入れることが極めて重要であることを力説されました。

 また、戦略の展開においては、いわゆる「目標管理」「方針管理」に典型的に見られるように、戦略課題の「PDCAサイクル」をまわすことが基本であること、「部分=部門最適」の弊害が露呈しないように経営幹部の合意結束した強力なリーダーシップが欠かせないことも強調されました。

 中小企業においては、戦略など立てたことがないという向きも少なくないのが実情のようですが、まずは「組織プロフィール」項目に従って自社の事業・業務の棚卸しをして、改善領域の気づきをリストアップするところから始めてはいかがでしょうか。