富山県経営品質協議会活動内容 定例会

2月度定例会 (富山会場:2004/2/24、高岡会場:2004/2/27)

●富山会場「重視する考え方3:プロセス志向」

 植木講師は、経営品質向上においてはあらゆる業務活動が「競争優位の顧客価値実現」という目的に照らして適合的=整合的かつ一貫性があるか否かの視点から見直す(アセスメントする)ことが要諦であり、その際、あらゆる業務活動は「状態」と「過程(プロセス)」の両側面から捉えることができるが、「静」的な「状態」は外在的=観察者的に「分析-説明」できても、「動」的な「過程(プロセス)」は内在的=当事者的に「総合-理解」する必要があるという原理論から説き起こされました。

 プロセスとは、「つながり」をもった「流れ・動き」ということであるから、「システム思考」(全体を部分の有機的な「つながり」と捉える思考)と不可分であり、プロセス志向の考え方は「部分最適(部門最適)」ではなく「全体最適(組織最適)」をこそ重視すべきであるという経営品質の本質的思考ともリンクしている。 さらに、このプロセス志向の考え方は、戦略の「創発的な形成」や、創造的なプロセス形成の前提となる「対話」を通じた「組織学習」とも関連し、経営品質向上の方法論としてのセルフ・アセスメントにおいて「DDP=対話を通じた合意形成・意思決定のプロセス」を極めて重視する所以もここにあることを改めて熟考するよう喚起されました。

 このことは、組織を「技術システム」(目的-手段図式)とのみ捉えて事足れりとするのではなく、「社会システム」(生身の人と人との関係=相互作用)と捉える想像性の広さ・深さ・奥行きが、イノベーター(リーダー・マネージャー)に求められることを意味するものです(Cool Head & Warm Heart!)。

 ちなみに、「競争優位の顧客価値実現」の視点から見直して「プロセスを再設計」することをビジネス・プロセス・リエンジニアリングと言うが、市場においては、個々人・個々の部門のレベルでのプロセス能力に先立って「組織全体のプロセス能力」こそが問われる(個人プレーではなくチームプレーを想起せよ!)ことにかんがみて、くれぐれも「全体最適視点のプロセス志向」であることを忘れぬように、「制約条件理論」なども引き合いに出しながら、植木講師は力説されました。

 

●高岡会場「3.顧客・市場の理解と対応」

 保坂講師は、企業のあらゆる活動を「顧客の視点から」見直すのが経営品質向上の起点であるので、このカテゴリーは格別の重みを持つことを強調されました。

 「3.顧客・市場の理解と対応」においては、まず何よりも「顧客セグメント」を明確に特定して、ターゲットとなる顧客セグメント毎に「顧客の要求・期待」と「顧客の評価」をどのように「把握~活用」しているのかが問われます。

 顧客層別の要求・期待の違いに応じてあらゆる業務プロセスも当然異なってくるので、“わが社の顧客ニーズは?”といった一括りにした問い方では、具体的・実践的な顧客理解・顧客対応ができないことに改めて注意を促されました。

 「顧客との信頼関係」を構築する対応としては、顧客が自由率直に苦情・意見を言える受け入れ態勢ができているか、苦情があった場合には事後的対応に終始するのでなく「再発・未然防止」の仕組みづくりにつなげているか、そして、それらの際に「顧客対応基準」を明確にしてバラツキのない顧客対応が行われているかなどがポイントになります。

 顧客クレームは会社の“宝”とよく言われるが、これらの顧客対応の仕組みを「全社員がお客様窓口」の考え方で進めなければ意味のないものであることを保坂講師は力説されました。

 また、「顧客満足の明確化」については、顧客区分毎の「満足・不満足要因」をヒアリングやリサーチによる「事実に基づいて」明確にしているかが基本になります。

 その上で、満足・不満足要因の「再購入・継続取引」に与える影響度を測り、さらには「競合他社との比較」を行うという「CS競争優位の検証」の仕組みが問われます。

 CSの実態把握は事業戦略の生命線であるので、くれぐれも自分たちで勝手に判断評価せずに、必ず「お客様の声・お客様の評価」という「事実に基づく経営」の基本を忘れぬようにしたいものです。