富山県経営品質協議会活動内容 定例会

5月度定例会 (2003/5/19,20)

 第1グループの定例会「アセスメント基準書研究会④」=「2.経営における社会的責任」が5月19日(月)に、また、第2グループの定例会「経営品質アセスメント入門⑦」=「5.個人と組織の能力向上」は、5月20日(火)に、それぞれ開催されました。

 第1グループは、植木アドバイザーが「社会的責任」を考える際の原点として、「社会」「責任」というコトバの本義を確認することが重要であるとして、解説されました。

 まず、「社会」とは、つまるところ「人と人とのやりとり・つながり」のことだが、重要なのは、我々が生きる近現代社会は「社会契約説」に基づいて営まれているということの含意であると述べられました。つまり、個々人は、幸せを追求するために自由に活動して良いという権利を認めるのが近代社会だが、何のルールもなしに剥き出しの自由競争活動をすれば、経済活動のみならず、人間の社会活動全般が「万人の万人に対する闘争」となって、かえって幸せを追求できない修羅場・ジレンマに陥る。この社会的なジレンマを解決するために(「契約」という名目で)編み出されたのが、個々人の争いを調停する「(国民)国家」である。個々人(市民)を代表する者を選出して「ルール(法)」を決め、その「ルール(法)」に基づいて営むというわけである。したがって、企業の"最低ラインの社会的責任"として「コンプライアンス」(法令遵守・契約遵守)がある。ちなみに、企業は法人と言われるが、法人とは「法的人格」という意味であるから、個人としての「市民」と法的に同格であるので「企業市民」とも呼ばれるわけである。

 また、「責任」とは、①「responsibility」、②「accountability」の訳語だが、①は「反応できる能力」、②は「説明できる能力」が原義であり、要するに「相手の求め・期待に応える」能力のことであると、植木アドバイザーは集約されました。つまり、社会的責任とは、顧客の要求・期待に応える顧客満足の"社会版"というわけです。ですから、顧客を社会と読み替えて、顧客満足と同じロジックで取り組むのが基本であり、その意味で、地域社会・業界・国民社会・国際社会……など、様々な「社会」の「要請」=要求・期待に耳を傾けるところから取り組むことが肝要であると力説されました。

 第2グループでは、保坂講師が「社員の自主的・創造的な取り組みを促進する条件づくり」「環境変化に即応できる変革能力」「戦略リンクの社員の能力開発プログラム」「業務特性に応じた個別の育成計画」「社員満足要因の把握と、その職場環境改善への活用」などのポイントを簡明に解説されました。

 「社員のやる気を引き出す」ことができれば、経営の半分は終わったも同然と言われるが、組織・社員の能力開発は必ず「理念・ビジョン・戦略・顧客価値」とリンクしていなければならないという要諦もあわせて考えれば、経営幹部の「リーダーシップ」の重要性が、このカテゴリーでも浮かび上がってきます。特に、サービス経済化が常識となっている現在の経営環境からすれば、サービス活動でのスタンスの鉄則=「人間それ自身が商品である」という考え方を、今一度噛みしめるべきだと保坂氏は強調されました。単なる"人権上の人間重視"と言うに留まらず、厳しいビジネス環境の点からみても「人間重視」が如何に重要であるかを力説されたように思います。それは、結局「ESなくしてCSなし」の言葉に集約されますが、具体的には「自由闊達なコミュニケーション風土」「組織横断型チーム」「エンパワーメント」などの定着による「顧客本位の全体最適な組織」作りへの取り組みの「質」が問われているわけです。